振れ測定治具の製作事例|内径φ110.7基準で外径振れを高精度測定する専用治具
『回転測定×摩耗対策を両立した硬質クロムメッキ仕様の振れ測定治具』
製品仕様(Specification)
本事例で製作した振れ測定治具の仕様は以下の通りです。
- 品名:振れ測定治具
- 形状:φ110.7(-0.015/-0.025)× T=20 + φ130 × T=10 の組付け構造
- 仕上:研削加工仕上
- 材質:SKS3
- 表面処理:黒染め処理+硬質クロムメッキ(φ110.7部)
- 熱処理:焼入れ・焼き戻し・サブゼロ処理(HRC58~63)
- 購入品類:六角穴付ボルト
- 設計:お客様+渡辺精密工業株式会社
- 数量:1個
- 当社製造番号:26-00275
用途:内径基準で外径振れを測定する専用治具
本治具は、
『内径φ110.7を基準(データム)として外径の振れを測定する』
ための測定台です。
測定方法
- 被測定物の内径φ110.7に治具を挿入・接地
- ワークを手で回転
- 外径にダイヤルゲージを当てる
- 振れ量を確認
内径と外径の同軸が出ていれば、
『ダイヤルゲージは振れない』
というシンプルかつ確実な測定が可能です。
構造設計のポイント
① 組付け構造による高剛性確保
- φ110.7の円柱ゲージ部
- φ130 × T10のベースプレート
をボルト2か所で固定。
さらにベースプレートは測定器本体へ固定されるため、
『測定時のブレ・ズレを防止』
する高剛性構造となっています。
② 回転測定を前提とした設計
本治具は、
『手回転による測定』
を前提としています。
そのため、
- 摺動性
- 当たりの安定性
- 回転時の引っ掛かり防止
を考慮した円筒精度・面粗度管理を実施しています。
課題:繰り返し回転による摩耗リスク
測定時にワークを回転させるため、
『φ110.7部が摩耗する』
というリスクがありました。
摩耗が進行すると、
- 基準径の変化
- 同軸精度の低下
- 測定値の信頼性低下
につながります。
そこで、
解決策:用途最適化した硬質クロムメッキ処理
摩耗対策として、
『φ110.7部に硬質クロムメッキ処理』
を採用しました。
メッキ仕様の最適化
- 片肉 1~2μの薄付メッキ
- 必要最低限の耐摩耗性を確保
- 寸法精度への影響を最小化
一般的に、
『10μ以上の厚付メッキ』
も選択肢となりますが、
- コスト増加
- 寸法調整難易度の上昇
を考慮し、今回は使用頻度に応じた最適仕様としています。
成果:測定精度とコストの最適バランスを実現
本治具により、
- 内径基準での外径振れ測定が安定
- 手回転でも高い再現性を確保
- 摩耗リスクを抑制
という結果を実現しました。
このようなお悩みに対応します
- 内径基準で振れ測定を行いたい
- 専用治具で測定を簡略化したい
- 測定時の再現性を向上させたい
- 回転測定による摩耗対策をしたい
- 高精度ゲージ・治具を設計から相談したい
まとめ|『測定方法に最適化した治具設計』が精度を決める
振れ測定は、
『測定方法 × 治具精度』
で結果が大きく変わります。
今回のように、
- 測定方法(手回転)
- 使用頻度
- 摩耗リスク
まで考慮した設計が、
『長期的に安定した測定精度』
を実現します。
FAQ(よくある質問)
Q1.内径基準で外径振れを測定する方法はありますか?
A1.本事例のように、内径に嵌合する専用治具を使用し、ワークを回転させながら外径にダイヤルゲージを当てることで、振れを簡単かつ高精度に測定できます。
通り穴が基準の場合は、回転アーバー方式で確認することも可能です。
Q2.回転測定で治具が摩耗する場合の対策は?
A2.硬質クロムメッキなどの表面処理を施すことで耐摩耗性を向上させることが可能です。使用頻度に応じて膜厚を最適化することが重要です。
Q3.硬質クロムメッキの厚みはどの程度が適切ですか?
A3.用途によりますが、本事例では片肉1~2μの薄付メッキとし、精度維持とコストのバランスを最適化しています。
Q4.測定治具は設計から依頼できますか?
A4.はい。測定方法や用途に応じて、最適な構造・材質・表面処理まで含めて設計提案が可能です。
Q5.単品の治具製作にも対応していますか?
A5.対応可能です。試作・単品・小ロットの精密治具製作を得意としております。
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<金型>
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